ある日の朝の話~個人間融資家の日常

カンカン照りの陽射しのせいで、

駐車場に停めた車の中はサウナだ。


今朝は珍しく起きてすぐジムに行ったから余計に暑い。

でも昨日の酒も抜けて頭もフル回転だ。

やっぱり運動は健康にいい。


もうすぐ昼だ。

12時から新規貸し付けの予約が入っている。


お客さんは中野の主婦。

旦那さんの金を使ってパチンコしてしまったらしい。

今日も環七は駐車場だ。


個人間融資生活の一番の敵は渋滞地獄だ。

お客さんとの待ち合わせの時間が狂うし、

何よりストレスで目が疲れてくる。


高速をかっ飛ばしたいところだが、我慢あるのみだ。

経費を削ってお客さんの負担を減らす方が重要だ。


カーステレオのBIGBANGのアルバムが1周したかしてないかくらいで、お客さんの自宅に到着した。


お客さんとは30分くらい話してすぐ融資した。

主婦はちゃんとしている人が多い。

パチンコは今後もやめられなそうだから、長い付き合いになるだろう。


融資が終わり、返済のお客さんとの待ち合わせに向かう。


25日の給料日以外の日は、返済のお客さんは少ない。

今日は4人だけだ。


今日の返済のお客さんは吉原のソープ嬢だ。

ホストが大好きで、一晩で百万円使うこともある豪快な女の子だ。

大好きな担当ホストをナンバーワンにするために、毎日ソープに出勤している。


待ち合わせの駅に着くと、ソープの女の子は笑顔で僕に手を振っていた。

いつもにこにこしながら、大好きなホストの話を始める。

ホストの話をする時は本当に幸せそうだ。

僕は「次のお客さんが待ってるので」と笑顔でお金を受け取って、車に乗り込んだ。



この街にはいろんな種類の人がいて


それぞれ違う形の幸せがあって


みんな違う目的で生きている。


そんな街のすき間に

僕みたいな人間が必要とされる事もある。


だから僕は東京の街が大好きだ。



僕の個人間融資生活はこんな感じだ